11年01月26日
青春 荒木 恵
突然の嵐に
船体は
激しく揺れた
まるで
静かな瀬戸内海を通ってきたことが
嘘のように思われた
春の夜更け
思い切って
胸の紅バラを海に投げた
それが
太平洋の彼方に消える頃
最後の航海が終わった
なのに
私は
いつまでも
バラの行方を追っている
<第一小詩集・犬のようにより>荒木 恵著
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