めぐみ薬局 詩①:

Dscf0397_2  青春   荒木 恵

突然の嵐に

船体は

激しく揺れた

まるで

静かな瀬戸内海を通ってきたことが

嘘のように思われた

春の夜更け

思い切って

胸の紅バラを海に投げた

それが

太平洋の彼方に消える頃

最後の航海が終わった

なのに

私は

いつまでも

バラの行方を追っている

<第一小詩集・犬のようにより>荒木 恵著

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